2011年11月29日火曜日

「グローバル人材」を目指すには「おひとり様食事」を!!

月刊誌スタッフ・アドバイザーのウェブサイト海外ビジネスコラム(Bilingual)に以下の記事を執筆しました。http://www.staffad.com/bilingual/shinbori/shinbori02_ja.html

グローバル人材」を目指すには「おひとり様食事」を!!

●ソニー創業者 盛田昭夫氏から頂いた言葉
「海外に行ったら、一人でレストランにはいって、食事を楽しめるようになりなさい」ソニー創業者として有名な盛田昭夫氏の言葉である。
あなたの尊敬する人は誰ですかと聞かれたら、私はためらわずに盛田昭夫氏をあげる。
盛田昭夫氏はグローバルに活躍され、海外の政財界に幅広い人脈のあった国際人だ。米誌『タイム』が選んだ、20世紀に最も影響力があった世界の経済人ら20人に、日本人でただ一人選ばれたのは、盛田昭夫氏だ。

私がソニーに17年勤務している間、直接に盛田会長と何度かお話しする機会があった。その数少ないひとつが、米国ソニーに赴任する直前にお会いした時だ。
当時私は30歳の平社員。米国ニューヨークの地を初めて踏む私に、当時会長だった盛田氏から次のようなアドバイスを頂いた。「米国に行ったら、一人でレストランにはいって、食事を楽しめるようになりなさい」

米国に赴く平社員に対してのアドバイスといえば、「英語を勉強して、頑張って仕事をしてきなさい」というあたりが普通かと思う。
正直その当時は「レストランで食事を楽しめるように」というアドバイスには少々とまどったものである。
しかし米国滞在の年数が進むにつれて、これはたいへんなアドバイスだったということに気が付き始めた。


●楽ではないおひとり様の食事
盛田会長が言われた「一人でレストランにはいって、食事を楽しむ」とはどういうことであるか?

◆一流のレストランとなると、それなりの服装が必要である。
◆ そして事前に電話で予約をしておかねばならない。
◆レストランのテーブルでは、ウェイターから本日のお勧めの料理を聞く。
◆ その料理にあうワインの情報も必要だ。
◆もちろんメニューの料理を理解しなければならない。
◆ メニューの内容がわからなければ、尋ねてみる必要があるだろう。
◆自分の食べたいものを英語でオーダーする。
◆ 料理を食べ終えたらいかに料理がおいしかったかを褒める。または感想をいう。
◆時には、ウェイターとユーモアをまじえた会話をする余裕も必要だ。
◆そして食事が終って、支払いをすませ、ウェイターには感謝の気持ちをこめたチップをわたす。

こう考えると、結構たいへんな仕事である。
マクドナルド、サブウェイ、ドミノピザといったファーストフード店の食事とは大違いである。

●グローバルビジネスに共通するもの
盛田会長のアドバイス「一人でレストランにはいって、食事を楽しむ」は、つきつめて考えるとグローバルにビジネスをする基本要素でもある。
すなわち、
◆英語でコミュニケーションできる能力
◆ だれとでも対話できる社交性
◆ 相手を気遣う気持ち
◆ 仕事以外での話題を持つこと
◆その国の食事の文化・マナーの理解

究極は、料理を出す方とその料理を食べる方の両者が満足する関係をつくること。
すなわち
◆WIN-WINの関係を築くことである。
まさにグローバルビジネスの場面でWIN-WINの関係を作り出せるのが究極の国際人であるといえよう。

盛田会長は、社員をこういう国際的に通用する人間に育てたかったのであろう。
盛田会長からアドバイスをいただいてからかなりの年月がたつ。

しかし「一人で一流レストランにはいって、十分食事を楽しむ」までにはまだまだ到達していない。外国で一流レストランに一人で行くのは、かなり勇気がいることである。
なかなか良い席には案内されないし、ウェイターにもいい顔をされない。 
見るからに人品骨柄よろしく、あたりをはらう高貴な雰囲気をもつ人間であれば、ウェイターも丁重にもてなしてくれるであろうが・・・・

いかんせんいたって庶民的な容姿の小生には難しい。
正直なところ一流店にいくのであれば是非とも麗しい女性と二人でテーブルを囲みたいというのが本音である。 
こんなことを考えているから盛田会長のように立派な国際派ビジネスマンに なれないのではないか・・・。

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