2010年12月6日月曜日

ミス・ユニバースとグローバル人材

月刊誌スタッフ・アドバイザーのウェブサイト海外ビジネスコラム(Bilingual)に以下の記事を執筆しました。
日本語 http://www.staffad.com/business/shinbori05.html
英語  http://www.staffad.com/business/shinbori05_02.html

「ミス・ユニバースとグローバル人材」

ミス・ユニバース韓国代表と食事
3年前、韓国ドラマを衛星放送で放映している会社の役員をしていた時のこと。 
たまたまミス・ユニバース韓国代表のお嬢さんと、麻布十番のイタリアンレストランで夕食をする機会があった。 
ミス・ユニバースに選ばれた人と会えることだけでも感激なのに、一緒に食事ができるなんて、そうある機会ではない。 
心ウキウキしながら出かけた。一種の役得でもある。
ミス・ユニバース韓国代表だけあって、もちろん背が高く、顔が小さく、目はパッチリの美人のお嬢さん。食事をしながら、いままでの経歴やいま何をしているかを、英語で話してくれた。
韓国で高校卒業後、カナダに留学して英語を勉強。留学中にミス・ユニバース韓国代表に選ばれた。その時は、7月に行われるミス・ユニバース世界大会に備えて、日本でトレーニングを受けている最中だった。よ
く聞くと、ミス・ユニバース日本代表の日本人と、青山のマンションで共同生活をしながら、フランス人女性イネス・リグロンさんから指導を受けているという。

●ミス・ユニバース日本代表が世界代表に
イネスさんのことは、たまたまTVのドキュンメント番組を見て、知っていた。
ミス・ユニバース世界大会でずっと不振が続いていた日本代表。 
イネスさんが日本代表の指導を担当した結果、2008年までの間に日本代表を5回トップ15に導く成果をあげた。 
2006年第2位入賞の知花くらら、2007年には見事優勝の森理世を生み出すという輝かしい業績をもつイネスさんである。
世界大会に知花くららが第2位に、森理世が優勝したとき、正直いって日本人はちょっと驚いた。 
「えーっ、あの人が世界大会で?」と疑問を持つ人達もいた。 
私もそのひとりである。イネスさんが指導を担当するまで、日本でのミス・ユニバースの基準は、日本の男性やマスコミがもてはやす「モテ」や「かわいい」が基準であった。 
どちらかというと平均的日本人の視点で、魅力的な女性を選んでいた。 
しかし、そういう基準で選ばれた日本代表は世界大会では通用しない。 

●ミス・ユニバースの世界基準とは
ミス・ユニバース世界大会の基準のひとつは、グローバル。 
グローバルに活躍するには、女性はマチュア(成熟)していて、知的であり、パーソナリティを発揮する必要があるという。ミス・ユニバース世界大会では、世界大会の審査員が選ぶ。 
観客が選ぶのではない。 
従って、審査員が良い点をつけるような日本代表を送り込めば、入賞する可能性は高くなる。 
極端に言えば、審査員好みの女性を日本代表にすれば良いのだ。
イネスさんはそのことをよく知っていた。 
日本基準の美の代表を創るのではなく、 審査員が選ぶ基準 即ち 世界基準の美と魅力を持つ女性を創ることを・・ 
そのために3ヶ月に渡る合宿を通じて、英語でコミュニケーションできるグローバルに通用する女性を創りあげていく。 

●求められるグローバル人材
日本では少子高齢化や経済力の相対的低下で国内市場は縮小する一方である。
日本企業は新興国をターゲットとする海外展開に躍起となっている。
それを推進するためにはグローバル人材の確保が急務である。
英語でのコミュニケーション力はもちろんだが、新興国の文化やその国の人々の価値基準を理解・受容する能力をもった人材を育て上げねばならない。
すなわち、現地の人々のニーズやウォンツに耳を傾け、知る努力をしなければならない。
家人にそのことを話したら、珍しく私の意見に賛同してくれた。我家でも、グローバル人材を育てるべきだという。 そのためには、異文化体験が必要で、海外旅行に連れていけ と言う。 それとこれとは、別の話である。

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